踊る女神と1人の青年

主な登場人物

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     パールバティー       デモンズハンター     ダルタニャン

 

プロローグ

 とある小さな島にデモンズハンターという名前の青年が暮らしていた。

 ハンターは毎日のように戦いの鍛錬を積んでいる真面目な青年である。

 これは、そのハンターが長い長い旅に出るまでのちょっとしたお話である。

 

 

1

  ハンター:今日の鍛錬はこれで終わりだな。

ダルタニャン:今日も頑張ってるねハンター。

  ハンター:いざという時のために鍛えておかないといかないからな。

       この世界では今、多くの国々が争っている。

       いつ戦いに巻き込まれてもおかしくないからな。

       顔は見た事ないけど俺達の国にも姫様がいるだろ。

       いつ、この島に奇襲が来てもおかしくない。

ダルタニャン:僕は早く強くなってこの島を出て戦争で戦えるだけの力をつけたいな

       世界の為に戦いたいんだよ。

       ハンターは島を出る気はないのかい?

  ハンター:俺には島を出る必要なんてないよ。

       島を出る理由が見当たらないし

       世界の為に戦うなんて大それた考え俺にはできないよ。

ダルタニャン:ハンターは今でも充分強いからもったいないと思うよ。

       もし島を出たくなったらいつでも僕に言ってよ、一緒に島を出よう!!

  ハンター:ああ、そう言ってくれるだけでも嬉しいよ、ありがとうダルタニャン。

ダルタニャン:気にすんなよハンター、僕たちの仲だろ。

       今日はもう暗いしそろそろ帰らないかい?

  ハンター:そうだな、今日はもう帰ろう。

       また明日会おうダルタニャン。

ダルタニャン:うん、また明日ハンター。

 

2

  ハンター:島を出る、か......

       

         そんな事を考えながら

         ハンターは家に帰るまでの道中で寝そべっていた

         しばらくの時間寝そべっていると

         1人の人影が見える

  

  ハンター:(誰かいる、女の子......? こんな時間に何をしているんだ?)

         

          ハンターがしばらくの間少女を見ていると少女が踊りだす。

         その踊りにあまりにも可憐でハンターが見とれてしまう。

         一瞬少女の目から涙がこぼれるのを見る。

         そして少女と目が合う。

 

    少女:こんばんは、こんな時間に何をしているのですか?

  ハンター:それは、俺の台詞だよ。

       こんな暗いのに女の子1人で何やってるんだよ?   

    少女:私は踊りの練習をしてました。

       踊っている時は何も考えなくて良いのでいつも夜踊っているんです。

       踊っている時は何も考えなくて済むので楽ですよ。

 

         ハンターはさっき見た少女の涙を思い出す

         泣く程辛い事が気になったので少女に質問する

 

  ハンター:そっか、なんだ、そんなに辛い事でもあるのかよ?

    少女:そうですね、今世界では戦争が多発しています。

       その事を考えるだけでも私は辛いです。

       早く戦争が終われば島の人々も幸せな生活を送れるのに......

       病気で寝込んでしまっている人だってきっといるはずです。

  ハンター:何で泣く程追い込まれてるのに他人の事まで考えてるんだよ。

       自分が辛いのなら自分の事だけ心配してろよ。

    少女:私は王女ですから、他の人を心配するのはおかしくない事ですよ。

       たとえ辛くても島の人々を支えていかないと.....

       私は......

 

         すると少女の目から涙がこぼれる

         1粒、2粒、そしてしだいに数えきれない程の涙が

 

  ハンター:王女.....

      あんたすげえよ、泣く程辛いのに他の人の心配までして。

 

       

         ハンターは、こんなか弱い女の子が

         辛い思いをしなければいけない世界を憎んだ。

         泣いている王女を見て誰かのために戦いたいと思った。

         そして一刻も早く戦争を終わらせるために

         島を出てこの世界の為に戦う事を決意した。